まだコロナウイルスによる非常事態宣言が出されていない頃のことですが、長男が行動援護(難しい障害を持った人たちに対して、訓練されたヘルパーさんたちが支援をする外出の移動支援のこと)から帰ってきた時のお話。
その時は、私はCM関節炎でいかれてしまった両手の治療に、整形外科に行っていました。
というわけで、長男が帰宅しての受取人として、旦那が待機してくれていました。
で、長男帰宅のあと、ヘルパーさんから外出の様子や使ったお金の説明など受けて、ヘルパーさんが帰ったであろう頃、旦那から私にメッセージが......。
最初に送られてきたのはコレ↓
ん?多分破壊したのは長男だとはわかるけど、こんなの、ウチの中にあったか???
しばらくして次のメッセージが......。
「間違いさがし」
私、目が点。
あ〜!ポストのふたか〜!!
と解決したところで
「何があった?」
と返すと、不可抗力だよ〜!との返事。
まぁ、何かやらかしたことには違いなかろう。
そう思いながら、半ばワクワクしながら帰宅。
やはり、破壊されていたのはポストのふたでした。
何があったかというと、旦那の話では、まとめると次のようなことでした。
もともとポストのふたは劣化してヒビが入っていた。それが気になっていたのは間違いない。
でも、破壊にいたることはなく、毎日ポストの中に入っているチラシや要らないDMなんかをチェックしていて、入っていたら中から出していた。
それは、暇な時間にビリビリと破って過ごす、自分の遊びのため。
ところが行動援護の時については、帰り際にポストの中を確認するようなことは実は今までなかった。
しかし、たまたまこの日はポストの中が気になって、門扉を開けた途端にポストの中を開けようとした。
長男を支援してくださっているヘルパーさんたちは、実は精鋭揃い。
長男がポストのふたに触ろうとした瞬間、ヘルパーさんは長男お得意の瞬間破壊のおそれがあると判断!(実は開けるだけだった可能性が高い)
それを回避すべく、それを阻止するために長男とポストの間に体を差し込んだらしい。
それで長男も「おおーーー!」となり、旦那いわく
「多分開けようとして力入ってもうたな(笑)」
旦那の言う通り、たぶん不可抗力。それにしても瞬時に体を差し込むなんて、やっぱ精鋭だ〜。
たぶん、長男のヘルパーさんたちはみんな同じことをするだろう。
すごーー〜〜い!!
と話が盛り上がったところで、旦那は長男の目の前で取り敢えずの修復をして見せて、そのあとパソコンに向かっていました。
でもこれ、結構硬い素材。これまた、長男、おそるべし!
しばらく雨風しのげれば......ということで、一旦の決着です。
しかし、このビジュアルを長男が忘れるはずがなく、翌日、旦那がいない時にまんまと家を脱走してポストの前で止まりました。
私、ほんの数メートルを息を切らして追いかけ、長男の横に立つと、長男は何だか嬉しそうにふたを眺めていました。
こりゃ、しばらく「ふた恋し」の脱走が続くかもな〜...と思っているところに、旦那のパソコンが飛ばした注文の品が、なんとその翌日に届きました。(まだ緊急事態宣言出てなかったからね)
おぉー!コレは!!
さすが、旦那であった。伊達に長男の父親を28年間もやってはいない。
それを持ってポストのところに行き、粛々とポストのふた修復を終わらせ一言
「これでポストの中が見えるでしょ。慌てて見なくて済むでしょ」
つまり、中に何が入っているか見えなかった今までのふたと違い、これからは見えるから、用がなければポストに近付かなくていいよね、ということであった。
長男も目を丸くして、ポストのふたが復活する全ストーリーを確認したのでした。
この修復機能は私には備わっていないので、旦那に拍手を送った私なのでありました。
↑この写真はわかりづらいけど、中はちゃんと見えます。
以来、ポストを目指した脱走はなくなりました。
めでたしめでたし。
それから間もなく、コロナウイルスで非常事態宣言がこの地域でも出されました。
ヘルパーさんは、人のいないところを選んで、長時間の散歩に付き合ってくださって、長男は喜んで過ごすことができています。
私が通っていた整形外科は、お年寄りが多いのでもう行ってはいません。
こんな時期ですが、なんとか乗り切っていきたいです。
こんな最中にも、長男が崩れてしまわないように、長男を支援してくださっている方達には本当に感謝です。