宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

住みやすいこの町で、長男の昔に出会った

空も、空気も、木々も、匂いまでもすっかり秋ですね。

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今日の仕事中の話し。

昔の長男に出会いました。

実際は全くの別人ですけどね。

 

私は放課後等デイで働いています。

利用者である児童一人を車で学校にお迎えに行って、ちょうど施設に到着した時のことでした。

 

大きなカワイイ犬を連れた年配の男性と、多分近くに住んでいるであろう若いお母さん、そして子供達数人が、施設の駐車場に立っていました。

私の車が入ってくると、何やら指を差して明らかに私に何か言いたげな風。

 

私は施設に何か用があるのかと、迎えに行った子と一緒に車を降りて「どうされたんですか?」と聞きました。

 

すると、若いお母さんが一人の小学校低〜中学年くらいの男の子の肩に手を置いて

「この子、ここに通ってきてる子ですか?」

と。

 

違いますよ、と答えながら、ああ、なるほど……うちの長男と同じたたずまいであることに、すぐ理解出来ました。

 

「どこから来たか、わからないんですね。」

と聞くと、若いお母さんは

「そうなんです。ここの近くで一人ウロウロしてて、車にひかれそうになったり危なくて……。ここに通ってる子かも知れないと思って連れて来てみました」

 

男性も「靴も履かずに靴下だけで、大丈夫かなって心配で……」

あぁ、優しいなぁ。

でも、どう見ても自閉ちゃんのこの子、靴を履くのは嫌だったかもね。

 

男性と若いお母さんと私、そして子供達と私と一緒に車で来た子、さらにおとなしくて大きなカワイイ犬も交えて、その男の子を囲みました。

 

私は男の子に「お家わかる?」と聞くと「わかるよ!」との返事。

一応言葉は話せることがわかりました。

ただ、家の場所の説明は出来ないし、言葉は行き違いが多いので、コミュニケーションの道具にはまだなり得ていない感じでした。

 

ここんところは全く話せない長男とは違います。

でも、これからやるべきことは長男と一緒!

 

「警察に連絡しましょう。この子の親御さんも探されていると思うから」

私がそう言うと、若いお母さんが

「私が電話します。最初に見つけたので!」

若いお母さん、即行動してくれました。

 

案の定、警察に男の子のことは届けられていました。

「警察の人、すぐ来るそうです!」

 

すると、男の子は

「また警察〜? また警察〜?」

と繰り返して、よく警察に保護されていることが伺えました。

 

この後はもう安心だなと思い、施設の駐車場内での出来事だったので、私は送迎の仕事を完了させるため施設から別の職員を呼んで、その場を離れました。

 

そのやり取りの間にも、多分この男の子の親御さんは心配しているであろうに、私はずっと長男のことを思い出していて、懐かしい気持ちにさえなっていました。

 

何度も何度も脱走を繰り返して、何度も何度も警察に保護された長男。

長男ももし喋れたら、また警察〜? と言ったかも知れない。

長男は必ず裸足だったけど、この子は靴下を履いているから、まだ靴を履いていることに近いぞ! なんて思ったりもして。

 

長男もちょうどこの男の子と同じ位の時、一番脱走を繰り返していました。

割と最近まで脱走事件はあったけれど、昔程の頻度でもなく、外に行きたい時はきちんと訴えてくれることの方が多くなりました。

 

私は男の子のご両親に言いたい。

 

少しずつだけど、成長するよ。

少しずつだけど、ちゃんと周りのことも考えてくれるようになるよ。

 

何だか長男の昔に出会ったようでした。

それだけではなく、この男の子の将来だって分かるような気さえしました。

 

後から聞いたけれど、警察には男の子のご両親揃って、お迎えに来られたそうです。

うちもそうだった。旦那と私、揃って迎えに行ったものでした。

 

このご両親の今の気持ちも分かります。

そして、これから男の子が成長した時のご両親の気持ちも、きっと今とは違うものになっているはず。

 

親も最初は必死だけれど、視野が広がってくると少しずつ余裕も生まれる。

親だって成長する。だって、子どもが教えてくれる。

それが分かる。それが見える。

 

そう思いながら、心の中で男の子とご両親にエールを送りました。

 

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ところで、一人の職員がその若いお母さんと年配の男性のことを、私にこう話してくれました。

 

「手を差し伸べるべき子どもだと、すぐ判断出来たのはすごい!」

 

そう。表情を見ただけでは、困った顔ではないことが多いので、本当は困っているんだと気付いてあげることは難しかったりします。

 

「一緒に家を探したり、ここに通っている子どもかどうか確認するために連れて来たり、すごいですよね!」

 

変な子がいる、自分達の子供達は近寄らせないようにしなきゃ、なんて思う人も多いですからね。

 

「それはここの地域性ですね。」

 

そう、そうなんです!

 

「このエピソードは、何だか暖かくてほっこりしました」

 

私は、昔の長男を思い出して、不謹慎にも「ふふふ、君もか」なんて思ってしまいました。

 

この地域に、特別支援学校と普通小学校、中学校が並んで建っている。

その関係から、3つの学校間、そして子供達と地域住人の交流が育んで来たものは大きい。

だから、我が家もここに引っ越して来たました。

 

正直、長男のためと言うより、障害の理解が進んでいることで「次男がいじめに遭わないように」という思いの方が強かったのですが。

そして、その通りに思いは叶いました。

 

今は出来なくなったこともあるけれど、住民と学校の努力があった歴史を、絶対に忘れてはいけないと思っています。

 

 

hisakokk.hatenablog.com

 

ところで、もし「支援のいる子ども」とわかるような子が迷子になっていたら、一旦車などの危険なものから離し、保護した状態ですぐに警察に連絡して下さい。

 

また、飛び出しですぐ居なくなってしまうお子さんがお家にいる場合、すぐ見つけてもらうためには下着などに名字(出来ればフルネーム)を書いて下さい。

警察は下着などを見て、名前の確認をするそうです。

一度警察に保護されたら、どうやら警察間でデータベースを共有されるようなので、昔よりも発見もされやすくなっているようですよ。