宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

納得させようとしていたのに納得させられるようになった

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数年前までは、外に行きたくて親の目を盗んで家から飛び出していた長男。

何度も何度も警察に保護されて、何度も何度も親は探し回って、それを1日に何度も何度も繰り返して、そしてそれが十何年も続いていた。

 

しかも脱走したら、道路を何時間も裸足で走っていた。
めちゃくちゃ良い姿勢で、めちゃくちゃ速いスピードで走っていた。

 

私は家族の中で一番足が遅いから、車で追いかけるしかなくて、それを1日に何回もやられるから、家の中の鍵は増える一方。

 

外に行きたいなら、ちゃんと言ってくれれば一緒に行けるじゃん、だから、1人で勝手に出て行かないでね......そう納得させようとしていた。

 

そんなこんなで現在の長男。

このところの緊急事態宣言のために、週三日の施設通所、他の在宅の日は、相変わらずずっと外に行きたい......そこんところは全く昔と変わっていない。

 

でも、今の長男は昔と全く違うところがある。

昔は、私達が長男を納得させようとしていたのに、今は、長男が私達を納得させるための行動を取るようになった。

 

昨朝の話。昨日は在宅日。

朝イチで体温計で長男の熱を計ると36.9度。いつもなら36.5度前後なので、ちょい高め。

 

そこで、私と旦那とヒソヒソと「ちょい高めだから、今日の外出は自粛がよくない?」という会話をしていた。

外出といっても、ひたすらドライブするだけ。

 

でも、それが多分聞こえた長男。

慌てて自分で体温計を手に取り、自分で再度測ってピピっと鳴った体温計を私に持って来た。

 

これには笑った。だって、自分が外には出られない危機を回避するための行動がこれ。

見ると36.0度。

いやいや、ちゃんと計れてないかもしれないし、また後で測ってみよう!というと、すごいご不満の顔。

 

昔だったら、もうとっくに家を飛び出している。

もともと体温調節はあまりできない長男なので、多分体に熱がこもって高めに測定されたのだろうと思ったけれど、実際その後、数回行った測定ではやっぱり36,5度前後。

問題なし!と言うことで、長男に取り敢えず納得させるために説明をした。

 

「お昼食べて、お父さんのお仕事がひと段落したら、ドライブしようね」

 

この言葉で納得したらしい長男。

それからの長男は、お昼ご飯を作る私の横に立って「はよ作れ、はよ食べさせろ」のプレッシャーをぶつけて来た。

ご飯ができると長男は、とっとと飯台に運んで食べる用意をしてくれて、自分は超スピードでご飯を食べてしまう。もちろん、ご飯のお代わりも外さない。

 

自分が食べたら、次は私に「はよ食べんかい!」の視線でプレッシャーをかけ、片付けには超協力的で茶碗を洗う、布巾で拭く、片付ける、をテキパキとこなす。

ちなみに、まだ片付けは要支援だけれど、外に出たさが勝ってしまっているので母のスパルタにも耐え、言われたことをこなして片付けてくれる。

 

片付けが済んだら「どや〜!」とドヤ顔で母を見て「さ、行こか!」と行くそぶりで催促。

「お父さんのお仕事に区切りがついたらね!」と言うと、父の横に立って「はよ終わらせんかい!」と、これまたプレッシャーをかける。

 

正直、ストーカー並で、実際に家事も仕事も長男の在宅の日は効率がすごく悪い。

でも、まぁ、なんとかやり過ごしているし、何より長男がパニックも起こさず過ごしてくれていることが一番。

 

そして

「ほらほら、お昼食べたよ、お片づけしたよ、準備できてるよ、お外行けるでしょ?」

と、親を納得させようとしている。

 

すごい成長だな。仕方ないな。

さて、今日もひたすら車の中だけで過ごす、ちょっとだけ長めのドライブといきますか。

 

道の分岐に来ると、長男が指差す方向に旦那が車を走らせる。

当分の間、このちょっと長めの気ままなドライブは続きそうです。

夜、長男が眠ってから、やっと効率を手に入れて真夜中まで仕事をしている旦那は大変だけれど。

 

1人で外に出ないように親が説得していた長男が、みんなで外に出ようと親を説得してくれるようになった。

正直、数年前には想像もしてなかった。

 

こんな時期のこんな最中、なんとか私達はやっています。

 

そして、親が年を取ってしまったこの先の数年後、私達はどうなっているんだろう。

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