宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系(宇宙系)男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

台風14号と息子の笑顔

台風はテレパシーを送る?

我が家の長男は昔から、遠い遠い洋上に台風が発生すると突然崩れ出すことが多く、それは今も変わりません。

奇声を発して泣き叫び、どうしていいのか分からず、親を叩き、引っ掻き、言葉を持たない声で訴えてきます。

明らかに苦しい中に、自分の身の置き場に困っている息子の思いを、ひたすら親は受け止めるしかないのです。

そんな夏の台風の季節は、なかなかなカオスな日々を送ったりするものです。

さて、そんな夏は今年もやってきましたが、今年は台風の数も多く、ヒヤヒヤな日々でありました。

そもそも、この状態になるのは「ウチの息子」くらいかと思っていたら、意外にも障害を持った子供たちには多いということを、長男が成人を果たした後に知ることとなります。

まぁ、話題としては「台風」がテーマになることもそうそうないわけですし。

考えてみると、台風で気圧が低く変化して、誰もがスウスウ吸っている空気がかき混ぜられ、見えない環境が強制的に作り上げられてしまうわけですから、そうなりますよね。

それにしても、発生直後にみんな「受け取っている」・・・。
台風のテレパシーを体で受信しているとしか思えません。

なんだか彼らは自然そのものの申し子ではないか? 
そんな話をしたことさえあるくらいです。

ただ、今年の台風はちょっと変わっている・・・そんな話を、私が音楽でボランティアをしている放課後等デイサービスの先生が話をされました。

放課後等デイサービスの先生のひとこと「今回の台風はみんな崩れないんですけど?」

私は、子供たちが自由に鳴らす楽器に即興でピアノを弾き、ワラワラとピアノに貼り付き出す子供たちとも一緒に、三重連弾、四重連弾で、音遊びをするボランティアをしています。

ある日のボランティアで訪れた放課後等デイサービスの日も、何号だったかの台風接近が報じられていました。

「今年は台風が多そうですね」という話をしている時に、先生が
「今回の台風ですけど、子供たちがなんか変なんですよね」とおっしゃる。

いつもなら崩れて泣いたり叫んだりする子たちが、全くそんなことがない。
むしろ笑ってたりするんだけど、今までと違うなって・・・。

笑ってるからと機嫌がいいとは限らないし、辛くて笑う子もいっぱいいるわけですが、今回の表出がいつもと違ってる、と気にされてました。

うん、いつも関わっている先生だからこそのセリフ。さすがです。

ところで、それは実は我が家もでした。
ワーワーと泣きながら訴えるところ、今回はどうやら睡眠障害にシフトしていたわけです。

泣いたり他害は起きなくても、寝てくれないんですね、これが。

親子で睡眠不足な日々を送りました。
まだ小さい頃は睡眠不足はテンプレだったのですが、今はその頃よりは全然寝てくれる。
久々の貫徹続き。

なにが起きているんですかね、自然はなにを企んでいるんでしょう・・・なんて、その先生との話になりました。

この子たちの変化を見ていると、富士山が爆発した時なんて、どんなテレパシーを受け取るのだろう・・・。
なんてことも思ったりします。

この子たちは、自然と共に自然に生きているんだな、とも。

そして「記録的台風」14号がやってきた!

そして「記録的台風」は昨夜上陸して来たのでした。

「大型」「勢力強い」「暴風」「大雨」「気圧が爆下がり」「類を見ない」という言葉連続の報道に、台風には慣れている九州といえど、誰もが少しでも被害を少なくしようと準備はしていたようで、それはSNSなどでも散見しました。

そんなに気圧が低いなら、地球自体が空に引っ張られるんだろうなぁ・・・などと考えつつ、さて君はどんな反応を見せるの?

そんな長男はというと、実は発生時は律儀にちゃんと崩れました。
けれどその後はすっかり落ち着いて、睡眠はバッチリ!
今のところは、穏やかに過ごせている。
いや、まだ吹き返しの強い現在「外に行こ〜♡」と誘ってくる。

今回は直撃を免れなかったのだけれど、動きが遅すぎて滞在時間が長い。
それも被害が大きくなる要因とも言われていたのだけれど、ちょうどこの上を通過中に台風の目に入ったようで、不気味に静かな長い時間を過ごしました。

そして今、台風は風の尾ヒレを大きく振りながら過ぎ去っているところです。

そして我が家の1号、長男は

今「外行こ〜♡」と言っている長男を見ながら、昔小学生だった長男が台風の日に外に飛び出し、見つけた時には大風大雨の中にブランコを180度に振って、満面の笑みで漕いでいたことを思い出しました。

あの日は長男は、ブランコからなかなか降りれずに、私はひたすら待ちましたが、親子でびしょ濡れになったのでした。
今は「懐かしい」と笑いながら話せるようになりました。

親子で成長したんやないかな?なんて・・・。

父が仕方ないと腰を上げました。
「遠くには行けないよ、でも、お父さんと近くのスーパーに買い物に行こう」
満面の笑みの長男。

さて、二人の買い物の間に、母は晩御飯の用意をすると致しましょう。