宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系(宇宙系)男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

「あ、それね、骨折れてるよ」に騒然!

 

おぉ!これは.......。

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外出先から帰ると、玄関門扉の上にモフモフの物体が......。

 

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あぁ、裏のお宅の住人さんですか。

あちらこちらで決闘を繰り広げている、血の気の多い裏の住人さんですが、最近なんだか大人しめです。

「やぁ、元気?」と聞くと

「にっ!」と答えてくれました。

 

さて、先日カモミールの会という、重い障害を抱える人たちを福祉の世界で支えている方達にお会いする機会を頂きました。

 

我が家からはちょっと遠かったのですが、当日は車が使えなかったので、電車に乗って現地へと向かうことにしました。

 

考えてみれば、東京にいた2ヶ月間は毎日地下鉄に乗っていました。

帰って来てからは、移動手段は主に車かバスとなっていたので、本当に久しぶりの電車でした。

しかもこの路線は8ヶ月ぶりくらいかな?

 

この鉄道会社の電車やバスは、時刻表や掲示板の表示が改良されて、大きな文字で情報も伝わりやすくなりました。

 

感音性難聴の友人が、ターミナルでバス発車の場所が変更になったことで、アナウンスが聞こえずに乗り損ねたことがあり、これでは困る人たちが自分以外にもたくさんいるはずだと、表示を見やすくして欲しいと直談判した成果です。

 

ありがたや。老眼の私にも分かりやすいよ。

グッジョブ!同級生!!

 

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会場に着いて、カモミールの会のメンバーさん達とお話をしていると、本当に、純粋に障害を持った人たちに寄り添いたいと考えている人達だと伝わりました。

こういう人達がいてくれることに、世の中捨てたもんじゃないなと、心底思えたりするわけです。

 

こんな出会いや体験から、重い障害を持った長男と暮らしていくための、勇気や力をもらえているんだとしみじみと感じるのです。

 

ところでその時、私の話した内容で、皆さん騒然となったのでした。

「えっ?えっ??病院は行ってないんですか??」

と、何度も聞かれたんですけどね。その内容は.......

 

それはまだ、長男が学齢期だった時のこと。

同じように重い障害をもった息子さんのいる友人と電話で話をしていました。

 

電話の数日前に、私の長男がパニックを起こして暴れてしまったこと。

格闘の最中に長男のかかとが、たまたま私のみぞおちにヒットしたこと。

それから呼吸するたびに、胸がきしんだように痛いこと。

 

いやぁ、不覚だった!

避けきれずに打撲しちゃったよ!

そう言う私に、その友人はさらりとひとこと言ったんです。

 

「あ、それね、骨折れてるよ」

 

さらりと、本当にさらりと言ってのけたのでした。

そこでふと思い出したのです。

 

彼女の息子さんも、うちと同じようにパニックを起こすと、なかなかに壮絶な時間を親子でやり過ごす羽目になるのです。

 

そうでした。

彼女は一度、足首が紫に鬱血して、なんとか時間を作って病院に行ったのでした。

当時は今のように放課後等デイサービスなどなかったので、母親の自由になる時間なんて、子供が学校に行っているほんの数時間だけ。

本当にたかかが知れています。

 

自分のために病院で何時間も使うのは、なかなかできない時代でした。

けれど、これはまずい、流石にこれで文句言う人はいないだろうと病院に行ったところ、幸いと骨は折れてはいなかったようです。

 

けれど、医師から衝撃の言葉が。

 

「過去に3ヶ所ほど、折れたところを自分でつなげていますね」

 

つまり、過去は折れていたのに我慢して病院には行かず、本人も折れているとは思わずにそのまま放置していたのです。

そのために自然治癒したあとが、しっかりその時のレントゲンに写し出されていたわけです。

 

ただ、これは足首付近のレントゲン写真。

もしかしてその他にも......いや、それは考えないでおこう。

 

そうやって、自分で過去3度ほど自分で骨をつなげてしまったレジェンドが、先輩として私に教えてくれたのです。

そして私も多分、1度とはいえ、レジェンドの仲間入りしたのではないかと推察されます。

 

けれど、この呼吸の度の痛みは、日常生活の中でいつの間にか忘れ去っていました。

もしかして今レントゲンを撮ったら、骨をつなげたあとが写し出されるかも知れません。

 

そんな話を、彼女と同じように、メンバーの人達にさらりと話しました。

すると、皆さん「えっ?えっ??病院は行ってないんですか??」

と、何度も私に聞きました。

 

皆さんが騒然となっている間、私はその懐かしい話を思い出して、へへへと笑いました。

 

そうやって、このステキな人達との出会いを果たし、帰宅した後にベランダで視界に入るお宅の裏庭に、見慣れた方がのんびりとしているのを見かけました。

 

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あぁ、あんたか......

そんな視線を送ってくるのは、今度はお隣さんでした。
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 骨も自然につながるけれど、痛みも自然と忘れるものです。

人間は、うまくできているものなんですね。