飛行機での旅ではありません。
福岡の上空は毎日こんなもんです。
さて・・・
「旅に出ます!」
「ん、ん?」
この、すっとんきょうな旦那と私の会話から始まった、私の旅(?!)のお話。
ということで、特急も停車しない駅を出発点にして、まずは切符を買うことにしました。
案の定、私の前にはひと組しかいないみどりの窓口。
「往復券が欲しいんですけど」
「それなら2枚切符の方がお得ですよ」
ほんとやん!
片道にちょっと上乗せくらいで買えました。しかも席も指定可能。
とりあえず、まずはここから2駅先の博多駅へGO!
博多駅からはこちらに。
敢えて指定席にはせず。
車内アナウンス「指定席は満席でございます」
自由席はガラガラでございました。
まぁ色々と複雑な過程がありまして、西九州新幹線が開通したことで「リレーかもめ」という特急列車が誕生したのでした。
このリレーかもめ1本で懐かしい場所へ向かいます。
さて今回の旅、ことの発端と言いますと、旅館の息子さんにみそめられ、遠い遠い淡路島の地にお嫁に行った地元の友達が帰ってくるというので、その情報をくれた同じ地元の友達と「会おう!」と盛り上がってしまったことにありました・・・。
来年還暦を迎える人たちのLINEとは思えまい・・・。
そういえば、淡路島に嫁に行った友達の結婚式の思い出。
彼女のお父さんが
「おりゃぁ(俺は)悔しか!!」
と、可愛い娘が遠くに嫁にとられる悲哀を大声で叫んだのでした。
それに間髪を入れず、彼女の親戚が「もう諦めろ!」と、こだまを返したのが面白いやらほっこりするやら・・・。
私も幸せで寂しい、お父さんの気持ちが1ミリだけわかる気がしたのでした。
声をかけてくれた方の友達は、ゆったりとした喋り方と、怒ってモノ言う時もなんだか柔くて気迫がこもらない、ほんわかした温かさがあって、彼女といると居心地がいいのです。
そんな彼女達と会いにいくのです。
わくわくわく
少し前までは、自分のために遠出をするなんて考えられませんでした。
息子を置いて、丸一日たったひとりで自分の楽しみのために時間を使うことは、何だか悪のような気さえしていました。
やむを得ない理由がなければ、出ていくことは憚れました。
でも、この日はそんな思いも微塵も感じませんでした。
いつもなら移動は車。
どこに行くにも、息子の緊急時にはスッ飛んで行けるように。
でも、この日は旦那が息子の事業所にもお迎えに行って、夜私が帰ってくるまで息子を見ていてくれます。
わくわくわく
落ち合った駅は、私たち3人が高校時代を過ごした場所です。
当時はディーゼル車で、この駅に乗り降りしていたのでした。
でも、私たちが青春を過ごした時の駅舎は、すっかり跡形もなく変わってしまっていました。
さて、新駅舎になってから降り立ったのは初めてでしたが、あの二人は駅で出迎えると言っておきながら姿が見えません。
「どこや?」「どこや??」とLINEを飛ばし合いながら『在来線』と『新幹線+リレーかもめ』の改札口は、完全に別だということに気付き、やっと出会うことができました。
高校生の時、列車が到着するギリギリの時間にジャンケンをして、負けた人が全速力でポテトチップスを買いに行くという迷惑な遊びをしていたキオスクは姿を消し、何だか立派なショップとカフェが駅舎の中にありました。
そこを横切りながらも「うそぉ〜」「こんなんじゃなかったよ、武雄駅ぃぃぃ!」という言葉が口からこぼれるこぼれる・・・><
すっかりこの町自体変わってしまっていて、私たちの通った高校も建て替わり、たわいないお喋りをしていた喫茶店も、貸しコード店も、映画館も、色んな場所がなくなってしまっていました。
けれど昔のままの通り、通った古本屋、変わらない建物も見つけて、ちょっと嬉しくて、ノスタルジーにもかられてしまいました。
そして名物の楼門も、変わらずにそこにいてくれました。
さて、居心地のいい友達が予約してくれていたお店に到着。
いつもは満席、なかなか予約も難しい人気店らしく、それはこの後、納得や〜!と相成りました。
しかもこの日はラッキー日だったようです。
なんかいっぱい綺麗に盛り付けられていました。
全部食材の説明を聞いたけれど、なんか難しくてなんの記憶にも残らず。
でも、味は記憶にしっかりと残りました!
んまっ!(ほんと!)
3人とも別々のパスタを注文して・・・
シェアしまくる。
贅沢贅沢。
メインが豚肉なんだけど、還暦真近のおばちゃん達には有難いくらいに柔らかい。
んまっ!(ほんとほんと!)
待ってましたー! 2種のデザート!
たくさんの小鉢で出てくるから・・・という理由らしいけれど、そんなお店のインスタはコチラ↓
「ワイン食堂cobacini」
https://www.instagram.com/cobacini/
幸せな胃袋と一緒に会話も弾む弾む。
昔話も記憶の底から滝のように流れ出て、ランドセルを背負っていた頃から制服を着ていた頃のエピソードまで出るわ出るわ・・・。
老化してる脳が、今まさに活性化してるよね!
そんな会話の中から、現在の私たちの地元の話にも及びました。
何やら地元も道路拡張がされるとか、温泉付き高級旅館ができるとか、変わりつつある町の様子を教えてもらったのでした。
さっぱりそんなことになっているとは知らなかったので、想像できないなぁなんて言っていると、「じゃあ!」ってことでこの二人に拉致された私は、友達の車で地元の町まで足を運んだ、いや連れ去られたのでした。
変わりゆく場所を車の中で教えてもらいながら、時は経ったのだと実感もせざるを得ないわけです。
変わってしまうと寂しくもあり、でも変わらなければ時代遅れなんて思ったり、人間なんて勝手なものです。
そうして行き着いた先は、今回帰省してきた友達の実家。
彼女のお母さんが、懐かしい顔で出迎えてくれました。
昔のまま、相変わらずに勝手口から勝手にキッチンに上がり込み、あれを食べな、これも食べな、と昔と同じようにお母さんにもてなしてもらい、子供の頃の自分がそこにいるような気さえしたのでした。
笑った笑った。
嬉しかった嬉しかった。
懐かしかった懐かしかった。
そして温かかった。
そんな旅の終わりを迎えるために、地元の駅まで送ってもらった私は、今回思い切って電車に乗る決心をして良かったと思いました。
地元の駅は、駅舎は建て替えられたもののプラットホームは昔のまま。
古き良き時代、朝ギリギリに走り込んで列車に飛び乗ると、すっかり顔を覚えてくれていた車掌さんもいて「今日も間に合った!良かったな」と言ってくれてたっけ。
考えてみると、迷惑を掛けっぱなしだった高校時代。
大人達に見守られながら過ごせた事も、今なら解ります。
この町を離れるために2枚切符のもう一枚を使って特急列車に乗り、やっぱり満席の指定席ではなく、席が結構空いている自由席に落ち着いたのでした。
この山は高校の近くにある、この町のシンボル的な山。
毎日この山を見ながら通学していたんだった。
列車の窓から不思議な光が筋を立てていました。
旅も終焉が近づくと、居心地のいい友達からラインが。
「うちに帰るまでが遠足です。気をつけて帰ってね〜」
そうか。
遠足だったか・・・。
旅と言い切っていたけれど、日帰りだったしな。
夜も20時超えての帰宅。
旦那と長男は待っていてくれました。
帰宅した私に旦那いわく
「即席でできるトルコライスの素、買ってるよ。ご飯は炊いてる」
旅のトドメは晩御飯作りでした。
まぁ、旦那は仕事の締切を山のように抱えて、仕事をしながら長男を見ていてくれたのでね。
こうして私の旅、いや、遠足は幕を閉じたのでした。
袋の裏を凝視しながら作るもイマイチ上手くいかず。
でもまぁ、家族三人で食べる晩御飯は、何はともあれ
うまっ(笑)