宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系(宇宙系)男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

散髪屋さんに困ったら〜ゆっくりさんのヘアサロンサーチ

f:id:hisakokk:20191028142222j:image

 

前回の散髪屋さんで書いたように「散髪はどこに行くか問題」は、障害を持っている子ども達にとって、そして探す側の親にとって、とんでもなく大きな問題です。

特に、まだ学校に行っている年齢であれば尚更です。

 

hisakokk.hatenablog.com

 

ウチの長男がそうだったように、最近は施設に訪問して髪を切ってくれる理美容師さん達も増えています。

でも、見渡すと老人施設がほとんどで、障害者施設がちらほらという感じでしょうか。

 

子どもの場合、学校に訪問したり、子どもの施設に訪問してもらえる理美容師さんがいるというのは、ほとんど聞こえてきません。

 

障害を持った子ども達は、感覚が過敏だったり、じっとしているのが苦手で座っていられなかったり、動いてしまったりしてしまいがちです。

恐怖心も強く持つ傾向にあるので、怖くて逃げてしまったり、興味あるものがあったら手を出してしまって怒られてしまったり、泣いてしまったり.......。

 

本当に、何かしら色々やってしまうんですよね。

 

これが本人が人を困らせようと思ってやっているわけではないと理解してもらえると有難いんですが、なかなかそんな理美容室は見つかりません。

 

お願いするのも、いろんな問題を起こすとを考えてしまって、それができないまま、結局母自作のど素人カットになってしまったりします。

 

中には、頑張って連れて行ってみたけれど、美容師さんに怒られたり、周りの冷たい視線に耐えかねて、すっかりトラウマになってしまったお母さんもいます。

 

ウチの長男のように、同じ障害を持った子どものパパが美容師だったり、たまたま大決心して飛び込んだ理容室が、理解あるところだったらいいんですが、現実はなかなかそうはいかないものです。

 

ウチはラッキーだったということですね。

 

結局、誰もがありがちなのは、頑張ってお母さんが切ることですが、切るのが母なら、子どもは情け容赦なく動き回ってしまって、もぅ、お母さんはグランド10周を小刻みに、全速力ダッシュしているみたいなもんです。

 

一昔前ですが、障害を持っている年頃の女の子に、坊主頭の子はとても多く見かけました。

同じ年の女の子なら、おしゃれして髪も楽しむ頃です。

 

結局、連れていける美容室もないし、訪問理美容師なんていなかったし、家でバリカンで切ってしまうしかなかったのです。

切ないのですが、事実です。

中にはバリカンの音が苦手で、男の子でも長髪の子もいました。

 

けれど、それは昔のこと.....でもありません。今だって、見かけることはあるのです。

 

それくらい「散髪はどこに行くか問題」は深刻なのです。

 

けれど、もしかしたら、諦めないですむかもしれない......ということがわかったら、嬉しくないですか?

ちょっと、希望の光もさしてきそうな......♪

そんな子どもとお母さんのための、ヘアサロンのマッチングサイトのお知らせです。

 

このサイトを立ち上げた方は、発達障害の甥っ子さん、姪っ子さん、そして子ども達のお母さんが彼女の妹さんであることから、この「散髪はどこに行くか問題」の大きさに気づかれたのです。

 

こんな嬉しいサイトと、優しい理美容室があることを知って頂きたくて、ここにサイトを載せています。

 

お母さんたちが安心するだけでなく、子ども達の「髪を切る」という経験、子ども達と「髪を切ってくれる」人との交流が実現できること、さらには「髪を切ることでさえも悩んで、頑張っているお母さん達」のことを、もっともっと知ってもらえたら嬉しいです。

 

ゆっくり発達をしていく発達障害の子ども達を、ゆっくりさんと呼ぶ優しいサイトです。

 

www.yukkurisan.jp

 今後も、この活動は広がっていきます。

賛同される理美容師さん達が全国に増えていきますように。

そして、このサイトで人との出会いを果たせる子ども達が、これからもたくさん増えていきますように。

 

このサイトについては、私の別のブログサイト「てとてhttp://tetote-net.com/」でも近々紹介したいと思います。

 

 

長男と町の散髪屋さん

f:id:hisakokk:20191022120136j:image

長男の髪はすごく多い。

わたしと旦那のどちらに似ても、すごく多いしくせっ毛。

それでも、私たちの域を超えるほどの多さとくせの強さ。

 

小さい頃は、最初はわたしが長男の髪を切っていましたが、だんだんわたしも力量の限界を感じて、同じ就学前通所施設に通っていた男の子の、美容師のパパに切ってもらっていました。

 

けれど、今の地域に引っ越してきてから"散髪はどこに行くか問題"にさしかかり、云々考えてました。

 

そして、たどり着いた答えが、地域の理容室に連れて行ってみる、できるかどうか試して、無理だったらまた考える......というものでした。

 

町内にはいくつかの理容室と美容室がありますが、敢えて長男がよく脱走する時の通過点にある、年配のご夫婦が経営されている小さな理容室にお願いしてみました。

 

思惑としては、小さい理容室ならお客さんもたくさん部屋の中にはいないだろう、何かあっても、親がすぐ止められる範囲の部屋の広さだろう、地域の人なので、他の地域よりも解ってくれるのではないか......ということ。

 

そして、もし長男が家から脱走して走り去っていたら、声を掛けたり、教えてもらえるかもしれないということ。

地域に、一人でも解ってくれる人がいてくれたら......そんな思いからでした。

 

その理容室では、ご夫婦の奥さんが担当して下さいました。

ちゃんとどうすればいいか話を聞いて下さって、ドライヤーへのこだわりも理解していただき、何かあったら親が止めに入ることも承知して下さいました。

 

時々、旦那さんは自分の畑で採れたと野菜も下さいました。

 

長男はというと、毎回何事もなくそこで散髪ができていて、一度も問題になる行動を起こすこともありませんでした。

安心して任せている風で、この人たちは味方だと思っていたのだろうと思います。

 

そして昨日、いつものように旦那が長男を散髪に連れて行ってみると、なんと奥さんは入院中ということがわかりました。

 

肺癌だそうで、暫くは散髪のお仕事ができないとのこと。それを聞いて、わたしもショックでした。必ず治して、また長男の髪を切っていただきたいと、心から願います。

 

地域の中に、長男の味方になって下さる方達がいて、長男だけではなく、その方達も元気でいて欲しいと思った出来事でした。

 

結局、散髪に困った長男ですが、今通っている通所施設に来られる訪問理容の方が、長男のために施設に来て下さるそうで、本当に助かりました。

 

明後日切っていただけるそうです。

スッキリした後は、今月末に行われる、長男が楽しみにしている施設での少人数で行く一泊旅行です。

髪が多すぎて、シャンプーの時になかなか濡れない長男の髪を洗うのも、少しだけ楽になるかもしれません。

 

旅行まえに散髪が間に合って、本当によかった♪

長男はきっと、今日もカレンダーを指差して旅行の日を確認するでしょう。

 

その前に、カレンダーに"散髪"と書いて「髪を切るよ」と教えようと思います。

 

f:id:hisakokk:20191022120131j:plain

 

 

 

たぶん、サギに遭っていると思われた話し

これはまだ、次男が急性期病院に入院していた時のお話。

 

いつものように理学療法士さんが病室にリハビリにやってきて、次男の足を持ち上げた瞬間に一言。

 

「あれ?底が上がったんじゃない?」

 

さすがプロ! 

最悪の状況を抜けたことを瞬時に正確に判断されて、その後すぐに検査、医師からも、これからは回復に向かうと告げられました。

 

それからは早かった。

若いし、やっと少し無理してもよくなったから、回復期病院にて本格的にリハビリしましょうと。

 

次男が入院している間、1日も欠かさず病院に通いました。毎日毎日、何をするわけでもなく、何ができるわけでもなく、それでも通い続ける以外、することがありませんでした。

 

f:id:hisakokk:20191008011341j:image

病院の10階から眺める景色は


f:id:hisakokk:20191008011351j:image

 

病院を出る頃はすっかりこんな風。


f:id:hisakokk:20191008011339j:image

大学が多いこの地区の地下鉄は、サラリーマンより学生たちの利用が多いので、遅い時間に地下に潜ると、誰もいないなんてこともありました。


f:id:hisakokk:20191008011345j:image

 

稀に、長い長い地下鉄のエスカレーターにも、誰も乗っていないなんてこともありました。

 

そうやって私が通った急性期の病院から、次男は離れることになったのですが、どちらかというとバタバタと決まったので、それから退院の準備に追われることになりました。


f:id:hisakokk:20191008011348j:image

退院まであと3日という日、支払いについて病院に聞くと、とりあえず治療費の見込み金額を明日、渡しますとのこと。

 

翌日病室に行くと、次男が蒼白な顔で1枚のメモを渡してきました。見るとその金額が書かれていて、覚悟はしていましたが、やはりすごい数字が書かれていました。

 

でも、高度医療であるし、部屋代が田舎ではありえない金額。納得せざる得ない金額と次男の申し訳ないの台詞に、命を助けてもらう治療に必要だったお金だから、これくらいは行くでしょ!と答えました。いや、実際そうも思いました。

 

ギランバレー症候群は近年になって、希少な病気でありながら臨床例がたくさん集まったことで、治療法が確立されて治る人が多くなった病気です。

 だから難病指定から外れて、特定疾患という扱いになったので、治療費の補助はなくなったそうです。つまり、全額負担ということです。保険を使っても、高額医療費を使っても、いろんな制度を駆使しても、やっぱり笑いしか出ないほどの高額であることには違いありません。

 

考えようによっては、治療が確立される前の、治療費補助が受けられた時代よりも、補助がなくても治る確率は高く、死亡率が下がった今の時代の方がずっといい!と思うわけです。

 

それに、病院には本当に良くしてもらったので当然のことです。

f:id:hisakokk:20191009022713j:image

 

というわけでその翌日、退院は明日......という日を迎えて、お金をかき集めて一旦郵便局に集約、それから見込み金額分を下ろしに行きました。

前日に看護師さんに聞いたら、明日あたり用意して頂けてたらいいと思います......と言われたので、そりゃぁ慌てて用意しちゃうわけです。

 

正直、カードが使えるはずだ、大きな大学病院だから、絶対使えるはずだ......と思いつつ、前日に「カード使えますか?」と聞くのを忘れてしまったので

「おしっ!確実な現金払いで行くぞっ!!」

と、妙なテンションになってしまっていました。

 

郵便局に行くと、申し込みの紙に引き出し金額を記入して、窓口に出ました。すると、郵便局員さんは少し慌てた様子で、窓口の中でも一番端っこの方に私を呼びました。

 

局員さん「あの、何に使われます?」

私「病院代です。息子が入院してまして......」

局員さん「え?あの、どこの病院ですか?」

私「日本医科大です」

局員さん「失礼ですが、あの......すごい大金ですが、大変な病気だったんですか?」

私「はい、ギランバレー症候群です。退院なので、とりあえず支払いを病院でしてきます」

局員さん「あぁ、病院に......そうだったんですか。大変でしたね。少々お待ちください」

 

郵便局員さんは、現金を用意して私の目の前で袋に入れてくれました。そしてそれを私に手渡すと

 

局員さん「ひったくりとか結構ありますから、バックに入れてしっかり持って下さいね」

私「はい!わかりました」

局員さん「大金ですから、しっかり持って下さいね」

私「はい!わかりました」

局員さん「いや、本当にひったくり、多いんですよ。気をつけて下さいね」

私「はい!わかりました」

 

余程頼りなく見えたのでしょうか……。

多分、このくだりを5回くらいしたと思います。


f:id:hisakokk:20191009022710j:image

その時は、私自身も大金を下ろしているという、心なしかの緊張もあったかもしれなくて、この会話について特別なことを思うところは何もなく、親切な郵便局員さんとしか思わなかったのですが......

 

今時、治療費の、しかも高額医療費を現金で支払う人など、都会にはいないのかもしれません。それをわざわざ郵便局に下ろしに来たわけです。

正直、おばあちゃんには少し早いのですが、中年も通り越したくらいの年齢でもあります。

 

多分、サギにあってるんじゃないかと心配されたんだと......。だいぶ後になって気づきました......鈍っ。

 

息子の代理人が家に取りに来るとか、どこかで待ち合わせて誰かに渡すとかではなく、病院に直接と聞いて安心されたのでしょう。

 

それにしても、優しい郵便局員さんでした。退院ということは治ったんですね、と言われたので、転院しますと答えたら、大変ですね、親子で頑張って下さいね!と励まされました。

 

郵便局員さん、ほんの数分の間に、あれもこれもと心配してくださって、ありがとうございました!


f:id:hisakokk:20191009022716j:image

 

そしてその後、しっかりバックを持って、すご〜く周りに気をつけて、ちょっと緊張しながら病院に到着。支払いについて聞くと、退院当日(つまりさらに翌日)の正午くらいにお願いします!と言われた私。

え?じゃ、カード払いできますか?って今日聞けたじゃん!えぇ〜〜〜〜っっっ!

 

ということで、すごすごと大金をお持ち帰りした私。

翌日の転院の日。

しっかりバックを持って、すご〜く周りに気をつけて、ちょっと緊張しながら再びお金を持って行きました。

そしてバタバタと転院準備をして、お世話になったスタッフさんたちに挨拶を済ませ、次男が最後の昼食中にようやく、お支払いとあいなりました。

 

支払いは窓口でと思っていましたが、結構人がいたので、ここでなぜか訳の分からないチャレンジ精神が顔を出しました。

「人生初、病院で自動支払機!」

はい、田舎者ですから、それがどんなものか知りませんでした。

 

支払機の前に立つと、機械の案内に従って入力して「現金をお入れ下さい」と機械なのに流暢に言われて、ここでまた緊張してしまいました。

 

どこ? どこに入れるの??

と探すと、受け皿のようなものが。

「入れる」......じゃなくて「置く」じゃん!

と、これまた緊張時の謎の突っ込み思考が駆け巡る中、その皿に札束を乗せてみました。

 

すると分厚い札束が、たった3回の「カシャッ、カシャッ、カシャッ」という機械音とともに、あっという間に吸い込まれていき、それを私は唖然として見つめてしまいました。

 

と同時に、その横の細い穴から、診療明細が出るわ出るわ......私が慌ててアワアワとそれを落とさないように両手で受け止めていると、視界の片隅に見えたおじさんが、その紙の量を見て唖然と立ち尽くしていました。

 

今思い出しても、面白い光景だったろうなと、客観的に見たい現場だったなと思えるのは、今が完全に余裕のある状態になったからなのでしょうね。

 

f:id:hisakokk:20191009100907j:image

 

治療費の、二日間に渡る私のてんやわんやな支払い劇。

今となっては、なんであんなことしたんだろうとか、もっと効率よく動けばよかったのにとか、転院の決まり方が急だったから仕方なかったのかなとか、いろんなことを思い出したり反省したり。

 

次男のマンションと病院を、ただひたすら行ったり来たりするだけの日々でしたが、それでもいろんなドラマはあったんだと。

 

今にしてみれば、そう思うのであります......。

 


f:id:hisakokk:20191009022706j:image

 

 

 

長男とヘルパーさん、大型犬と遭遇する

f:id:hisakokk:20190930104652j:image

朝夕もめっきり涼しくなりました.....と、手紙の書き出しみたいですが、ついに秋はやって来ました。

まぁ、そりゃそうです。早いもので、もう10月に入りましたから。

今日から消費税も高くなるわけですね。財布も寒くなってくるでしょう。

 

秋は当然、近くの公園にもやって来ていて、松の木に松ぼっくりがすずなっておりました。まだまだ硬い緑の若僧です。

この若僧達が熟して傘を広げ、いい頃加減に地面に落ちた頃、また近所の子ども達がそれを拾いにやってくるのでしょう。

 

最近は昼間も、いっときの辛い程の暑さから少し過ごしやすくなりました。

長男も、先月のヘルパーさんとのお出かけは汗だくで移動していましたが、先日の日曜日のヘルパーさんとのお出掛けは、随分楽になったと思います。

 

そんな長男とヘルパーさんを、いつものように玄関で見送った後、わたしは一旦家の中に入りました。

そして回覧板を持って再度外に出たのですが、ずっと近所の大型のワンちゃんが吠えている声が聞こえました。

 

知らない人が通ると吠えるので、あの2人が通って、知らない人だと吠えているんだろうと思いながら通りに出ると、何と吠えているだけではなくて、2人に絡んでいる現場を目撃しました。

 

見るとどうやら首輪が外れている。初めてのことです。

あらぁ〜......と思いつつも2人と1匹の側に行くと、ヘルパーさん、腰が引けてるものの、長男をワンちゃんと反対側に立たせて、しっかりと長男を守って下さっていました。

 

わたしはワンちゃんの方を向いて「ごめんねぇ、知らない人だろうけど、通してあげて〜」と声を掛けました。でも、当然でしょうけれど離れてはくれません。

けれど、噛んだりはしない子だなと、番犬として役目を果たしているんだなと思いました。

 

実はワンちゃん、大きいんですが、わたしが目の前を通る時は一瞬吠えて、わたしだと分かると「何だ、あんたかい......」と、そのまま見送ってくれるんです。

 

それで、たった今も、わたしの話は優しげな目で聞いてくれます。

でも困りました。どうやってこの2人からワンちゃんを離せばいいのか......。

 

わたしは2人と1匹を置き去りにして、ダッシュで飼い主さんの家のインターホンを押しました。

いました! 飼い主さん。

首輪が外れているところを見たことがなかったので、勝手に飼い主さんは不在だと思っていました。

いやぁ〜、良かった!

 

あわてて来てくださった飼い主さんに御用となって、ワンちゃんは無事、家に戻ることが出来ました。どうやら飼い主さん登場で、この2人も不審者ではないと理解してくれたようです。

 

ワンちゃん、実はしっかりと番犬としての仕事を果たしたわけですね。偉いです。

ちょっと、このシチュエーションは困ってしまいましたが、何より良かったのは、長男が、信頼するヘルパーさんが自分を守ってくれていることを理解して、それでパニックにもならず、その場で待つことができたんだろうということです。

 

飼い主さん、すごく謝って下さったんですが、ワンちゃんは仕事をしただけだし、気にしないで下さいねとお伝えしました。

後で、お詫びですと綺麗な色のタオルハンカチを下さって、返って気を遣わせてしまいました。

f:id:hisakokk:20190930104655j:plain

解決の後、長男とヘルパーさんはお出かけを再開しました。そして、帰宅まで穏やかに過ごすことができたそうです。

 

ところで旦那に、このことの顛末を話すと「動物に妙に好かれるからね」だそうで。

確かに、散歩をしているワンちゃんとすれ違うと、なぜかUターンしてわたしに付いて来たりするんです。

近所の、抱っこが嫌いで引っ掻いたり噛み付く猫ちゃんを、わたしが何事もなく平然と抱っこしている姿を見て、この猫ちゃんを怖がっている子ども達が騒然となったこともありました。

 

そのことについて、友人とわたしの会話......。

「猫ちゃんワンちゃんにとって、好きな匂いがするんじゃない?」

「えっ? わたしの匂い? フェロモンってやつ?」

「うちの猫ちゃんたちも好きな匂い」

「例えばどんな?」

「靴とかカバンとか好きなんよ」

「?」

「皮の匂い!」

 

 

皮って............フェロモンじゃないんかいっ!(泣)

 



 

思い出のスカイツリー

f:id:hisakokk:20190930003621j:image

 福岡には、福岡タワーとポートタワーのふたつのタワーがあります。

 

福岡タワーの高さは234m。美しい続き番号ですね。

福岡のシンボル的タワーで、夜になるとその季節に応じて様々な模様や動く絵が映しだされて、なかなか見ているだけで賑やかで楽しいタワーです。

 

ポートタワーは高さ100m。港に立っていて、赤くてカワイイんです。

 

さて、先日そんなタワー達の話題になりまして、わたしが「スカイツリー行って来たんだよね」と話すと

「え〜!スカイツリーって料金が高いでしょう?福岡タワーの800円の方がお得じゃない?」

との返し。

 

いや、料金だけ見ればそうだけど、当日券で支払ったセット券の3,100円は、福岡タワーの800円からすると、案外安いかもしれない。

 

セット券とは、展望デッキと、更に上の展望回廊の両方に行けるチケットのこと。

ちなみに展望デッキのみなら2,100円、天望回廊ならなんと1,000円です。

 

入口からエレベーターまでも凄いぞ感が満載!

しかも、あの鳳凰なんかの装飾がある金ピカエレベーターに乗るだけで

「3,100円、OK!」

って思っちゃいますもん。

そもそも高さが武蔵! 234mからすると400mも高い......いやぁ、違い過ぎる......。

 

と言いつつ、実はまだ福岡タワーに登ったことがないわたし。

夜は本当に綺麗なんですよ。一度見てほしい(写真は最近のタワーです。そろそろハロウィン仕様になるのかな)

 

もう1つのポートタワーは登ったことがあって、無料でした。

港で赤く光る夜がきれい。わたしは、都市高速から見る夜のポートタワーが好きです。

 

福岡タワー

www.fukuokatower.co.jp

 

博多ポートタワー

port-of-hakata.city.fukuoka.lg.jp

 

 

さて、スカイツリーというと、次男がギランバレー症候群と闘っていた間、ずっと病院の窓から見続けていたタワーです。

次男の外出許可がおりた時、一緒に訪れた場所でもあります。

 

このブログで、次男の闘病記を書いている間、ずっとテーマの様に出現していました。

もしかして、東京の人よりも思い入れがあるかもしれません。

 

病院に駆けつけた時、最初に見たスカイツリーはてっぺんが見えないほど雲が下までおりてきていました。

不安な気持ちの中で眺めた、最初の東京の風景でした。

 

f:id:hisakokk:20190929031633j:image

 

そして、このノッポなヤツと、毎日顔を合せることになります。
f:id:hisakokk:20190929031627j:image

 

病院で迎えた令和の日。

世間の御祝いムードの中、スカイツリーも御祝いの装いでした。

そんな賑かな空気の中に、まだまだ不安な気持ちでキラキラと色が変わるツリーを眺めました。
f:id:hisakokk:20190929031630j:image

 

回復期の病院に転院して、初日に早速窓の外を見ると、ヤツはやっぱりそこにいました。

環境がかわった中に、顔なじみのヤツがわたしをホッとさせてくれました。
f:id:hisakokk:20190929031715j:image

 

こうして、やっぱりここでも毎日毎日顔を合せます。
f:id:hisakokk:20190929031641j:image

 


f:id:hisakokk:20190929031702j:image

 

叔母と病院に行く前に待ち合わせした、シビックセンターからのスカイツリー

叔母に元気をもらって、少し明るい気持ちになれた日でした。

 

こうして毎日ヤツと挨拶をしながら、とうとう......


f:id:hisakokk:20190929031647j:image

 

ついに会いに行ってきました。
f:id:hisakokk:20190929031705j:image

ドドーーン!


f:id:hisakokk:20190929031653j:image

 

次男の外出許可で短い旅が叶いました。

毎日会っていたヤツはクールでしたが、わたしにとっては、わたしを励ましてくれたあったかいヤツです。
f:id:hisakokk:20190929031712j:image

 

地上から遠く、空には近い場所で、ヤツは「どやぁ〜!」と東京を見せてくれました。

わたしは毎日、次男のマンションと病院の往復で、東京の何も見て回ることはしていませんでした。

 

この日、今回の上京では初めて、ちゃんと東京を見ることができました。
f:id:hisakokk:20190929031624j:image

 

そして、次男がついに退院を果し、二人で見たシビックセンターからのスカイツリー

この時は、本当に感謝の気持ちで一杯でした。
f:id:hisakokk:20190929031718j:image

 

スカイツリーが、次男の闘病の間にわたしを支えてくれていたんですね。

 

また会いに行けるかな。

 

今度は不安な気持ちはナシで。

 

 

最近、もう一つブログを書き始めました。

雲ばっかりのブログです。

よかったら、たま〜に覗いてくださいね。

 

https://hisakokk.hatenadiary.com/

次男の帰京「またね」〜いつもと違った長男に、ちょっと切なくなる

f:id:hisakokk:20190921020430j:image

連休が終わった後も、結局、我が家らしく4人でのんびりとした時間を共有しました。

特段に非日常的なイベントを作ることもなく、時間だけがご馳走の我が家の過ごし方は、相も変わらずでした。

 

そして、いよいよ次男の帰京の日がやってきました。

 

長男はこのために、この日の福祉施設の通所をお休みしました。

次男と、今年の夏の時間の締めくくりをすることになります。

 

次男を空港に送るときは家族全員で送ります。

長男に次男が帰京することを理解してもらうために「またね」というルーティンをずっとやってきました。

この方が、言葉で説明するよりも理解しやすいし、次男が東京で頑張っていることを、長男も理解してくれると思うからです。


f:id:hisakokk:20190921020421j:image

「またね」をする前日は、先月誕生日だった次男のためにケーキを買って、みんなでいつものようにハッピーバースディ♪を歌い、ロウソクの火を吹き消して、約1ヶ月遅れのプレゼントも何もないお祝いをしました。

 

この時、長男はきちんと家族4人分の、ケーキを分けるための皿とフォークを用意してくれました。

 

そして翌日、次男の帰京の日、長男はなかなか布団から出ようとはしませんでした。

外に行くことが大好きな長男ですから、本来なら「空港に行くよ!」と呼んだだけで直ぐに準備ができるはずなのです。

けれど、長男は頑に布団から出ようとしないのです。それも11時を過ぎようとしているのに。

 

「置いていっちゃうよ!」という声に渋々体を起した長男は、それでも動きが鈍くて、まさか発作の前兆? とか、体調が悪いの? とか最初は心配しました。

でも、よくよく観察しても全くそんな様子もなく、ただの「イヤイヤ」にしか見えません。 

 

ようやく車で空港に着いて、昼食を食べ、もう何度も次男を見送ってきたように、同じ行動なのに、長男の表情が優れないのです。

f:id:hisakokk:20190921020438j:image

とうとう次男は「またね」と保安検査場に向かいました。

f:id:hisakokk:20190921020413j:image

その時、振り向いた長男の表情を見て、そうか、そうだったんだ……と。


f:id:hisakokk:20190921020410j:image

 

長男の切なげな表情に、本当はこの日が来るのは嫌だったんだろうと。

だから、布団からも出たくなかったし、珍しく外に行くことを拒んだのでしょう。


f:id:hisakokk:20190921020435j:image

 

保安検査場の中に入ってしまえば、もう握手もできません。

長男は小さく小さく手を振りました。

 

次男も何か感じたのでしょう。振り向き振り向き進んでいきます。


f:id:hisakokk:20190921020427j:image

 

次男はこの列の中にいても、検査が済んでゲートに進む寸前に、外にいる私達を確認するとピョンピョン飛び跳ねて手を振りました。

 

今生の別れでもあるまいし、大袈裟な……と言ってしまえばおしまいですが、考えてみると、次男が入院をして2ヶ月もの間、長男は長男で心配していたのだと思います。

だから、次男が病気と闘っている時に、長男もずっと頑張って自分の思いを通そうとしたり、パニックも起すこともなかった。

 

「寂しくなったね。また会えるよ」と言うと、長男はちいさく2回うなずきました。

 

この空港のルーティンは、長男に理解してもらうという目的など、なんの意味もなくなってしまっていて、ただのルーティンになっていました。

だって、長男はそんなことしなくても、空港に行くまえから弟とまた離れてしまうことくらい、すでに解っているからです。

 

帰宅して夕食時、長男は食器をまた3人分用意してくれました。

長男なりに、受け入れているのだと思います。

そして、このことも……。

 

……またね。

 

芦屋ぶらぶらボーっとデイ

f:id:hisakokk:20190918111514j:image

連休最終日は芦屋に行ってきました。

福岡の芦屋というと、芦屋ボートです。でも、ボートを見に行った訳ではありません。

 

旦那が前に撮影に訪れて、そこの海鮮料理が美味しかった! という、それだけの理由です。

でも、ここでランチというプランが、旦那の頭の中にはあったようです。

 

これで、旦那のプランの中の1つは叶いました。
f:id:hisakokk:20190918111439j:image

海の駅。

店内に入ると、まず大漁旗がお出迎え。
f:id:hisakokk:20190918111533j:image

出入り口の隣に、何故かレトロな電話。

昭和中盤に生まれた私も、さすがにコレが実働していた頃は知りません。
f:id:hisakokk:20190918111526j:image

いけすの中にヒトデ。

これは食べられるのでしょうか?
f:id:hisakokk:20190918111508j:image

さて、お膳が運ばれてきました。海鮮丼と天ぷらのセットです。

自分の前のお膳に「お〜!」となって、人のお膳を写メるのは忘れていました。f:id:hisakokk:20190918111432j:image

この海鮮丼、お刺身を掻き分けても、その下に更にお刺身がギッシリ。ご飯の姿がなかなか見えません。

正に、丼の中が「ザ・海」でした。
f:id:hisakokk:20190918111523j:image

ご馳走を美味しくいただいた後は、海の駅の周りを散策。

風がめちゃくちゃ強くて、服が大漁旗並みにはためきました。
f:id:hisakokk:20190918111436j:image

防波堤の向こう側の海を覗いていると、旦那のカメラのキャップが風にさらわれて……
f:id:hisakokk:20190918111457j:image

運良く海の手前に落ちました。無事で良かった〜!
f:id:hisakokk:20190918111429j:image

次男、階段より降りて……キャップを無事救出!
f:id:hisakokk:20190918111536j:image

めでたしめでたし。
f:id:hisakokk:20190918111500j:image

空は青く、潮風の匂いが強い風に乗ってやって来ます。

その風から、立派な松の木が鎮守の森を守ってそびえていました。
f:id:hisakokk:20190918111443j:image

海の駅の先に、観光名所の洞山があると聞いて、そちらを目指しました。
f:id:hisakokk:20190918111447j:image

足元が滑るので、用心用心。

全く問題なくバランスが取れている次男を見て、歩けなかった頃を思い出しながら、おぉ〜!っと感動の母です。
f:id:hisakokk:20190918111540j:image

強風の割に、海は穏やか。

そして、洞山にたどり着きました。
f:id:hisakokk:20190918111426j:image

f:id:hisakokk:20190918111520j:image

自然はすごいですね。

機械なしで、何年もかけてこの形状を築いてきたんですね。
f:id:hisakokk:20190918111423j:image

岩に無数に空いた小さな穴に、びっしりと小石か?何かの卵か?がくっついていますが……。

これ、なんでしょう???未解決!
f:id:hisakokk:20190918111544j:image

ずっとピィ〜ヒョロロ〜と聞こえていて、トンビがいるのかな?と頭上を見渡すと、それに応えるかのように何羽も飛んで、私達の頭上をくるくる巡って見せてくれました。
f:id:hisakokk:20190918111450j:image

あ〜、風がぁ〜!

この中を、ゆうゆうと飛んでいる鳥たちはすごいです。

人間の服も髪の毛もハタハタ、風に遊ばれてしまいます。
f:id:hisakokk:20190918111517j:image

海の守り神様。

古くて小さいのですが、階段下から覗いてみても、とても綺麗に掃除されているようでした。
f:id:hisakokk:20190918111505j:image
f:id:hisakokk:20190918111529j:image

綺麗にされているということは、こんなとんでもない急な階段を、お年を召された方も登られるのでしょうか。

 

階段を下から眺めて、私たちもまだ負けてなどいられないな……と思いつつも、結局上の神様のところには登って行かなかったという情けなさ。

階段下で柏手打ってお辞儀をしました。

f:id:hisakokk:20190919164026j:image

ボートと洞山以外に、ここは何もない場所だと聞きました。

確かに、そうではありましたが、地元の子供達と見られる、小さい子から高校生くらいまでが釣りを楽しんでいたり、親子で磯遊びをする姿が見られて、それはむしろ、贅沢な遊びの時間を過ごしているようにも見えました。

 

海の幸を頂いて、ただただのんびりと。

芦屋をぶらぶらしながら、時々防波堤辺りでボーッとして、なんだかいい時間でした。

そして、この日も暮れていきました。

 

そうやって家族で過ごしながら、次男の福岡滞在もあと三日です。