宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系(宇宙系)男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

それでも生きる。その先があるのなら。

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何だか自分でも浮世離れしたような、そんな数日間を過ごしました。

 

私は明日、東京に行きます。

 

次男が上京してから、一度も行ったことのなかった次男の住まいを訪ねます。

そもそも、長男が生まれてから私が家を5日間も空けるんて、今まで一度もありませんでした。

 

まさかこんな事で上京するとは夢にも思わなかった……。

 

 

明日から二日間、甥っ子の葬儀に参列してきます。

 

甥っ子は発病して2年間、良いのか悪いのか私の父、つまり甥っ子にとっての祖父に似てしまったために、一度も弱音を吐かず、大学に復学することを目標に頑張りました。

 

私は甥っ子の病気の発症で、恥ずかしながら骨肉腫が小児がんだということを初めて知りました。

 

最近では東京オリンピックに向けて、テレビでも骨肉腫を克服した若者が活躍している様を、CMで目にすることがありました。

 

そうなると信じていました。

一進一退を重ねながらも、あのCMの若者のような姿で立ち上がった姿を、ずっと思い描いていました。

でもそれは、なにより本人が一番願ったことです。

 

復学して学校に戻り、また勉強して友人達と過ごす……。

学生なら普通のこと。当たり前の日々。

 

けれど、それが病によって夢になり、夢を叶えようと頑張って、結局夢を叶えることができなかった。

 

理不尽な病と闘って、命のその先が消えてしまった人達のことを想うと、もし、理不尽な目に合って、自ら命を絶とうと思っている人がいたら、自分の命は、まだその先があることに気付いてほしい。

 

その先に、また生きる希望は必ずある。

命の先があるのだから、自分でその先を切ってしまってはダメだ。

 

だから、命の先がある人達は、みんなみんな生きて下さい。

その先は、命がある限り夢を叶えることができるのだから。

 

なんか、支離滅裂だ……。

今回はごめんなさい。

また数日後、元気で戻ってきます。

 

今回は長男のことを、旦那が見てくれると言ってくれました。

旦那にも感謝です。

 

 

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突如現れた床の上の緑の顔と机の上の虹

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次男3才くらいの時、一緒に買い物に行くと、歩いて10分かからないス−パーまで、行きは20分、帰りは40分と1回の買い物にかかる時間は、買い物の時間まで含めて1時間以上なんてザラでした。

当時はまだ長男も学校に通っていたので、長男が不在の間に済ませるのがお決まりでした。

 

行きは買い物という目的があるので、ゆっくりなペースで歌なんか歌いながら、まぁ何とか20分くらいでスーパーに到着するのですが、帰りは次男にとって買い物という目的を達成しているからか、それはそれは家が遠い遠い……。

 

ちょっと歩けば花を愛で、虫に話しかけ、鳥に挨拶をする。

その度に足を止め、その場その場で作られていく次男のミッションを、次男は丁寧に果たしていく。

 

おかげで、買い物は日常のなかでもイベント並の時間と、母の体力と精神力が必要なわけです。

 

そういえば、音楽を鳴らしながらやってくる移動パン屋さんが来ると、次男と車を追いかけて買いに行っていました。

パンを買えば、その次には「パンを食べる」というミッションのみが残されて、また猛スピードで家に戻ったものです。

 

 

ある日、そんな長い旅の買い物から帰宅して、キッチンにつながるドアを開けて足を1歩踏み入れようとした瞬間……。

 

見えてしまいました。

 

何故か、床の上に大量の

 

「えぇーーーっっっ!?」

 

床の上には、明らかに次男が描いたであろう人の顔がぎっしり!

しかも、なんでの油性マジックなん?

いつ描いたん? 全く気付かなかったぞっ!

 

驚いた私は、床に踏み入れようとした足をササッと引っ込めました。

いや、さすがに絵とはいえ、顔は踏めないでしょう。

既にこれがただの模様だと、脳内変換が不可能な状態に。

正に踏み絵の状態!

 

 

昔のことなので、写メが取れなかったことが残念。

 

私が足を引っ込めて、更に部屋に侵入してきた次男に「踏んじゃだめ!」と言うと、次男は一瞬固まってしまいました。

 

描いたことがバレた……というよりは、描いている最中は楽しかったはずなので、もしかしてヤバいことした? と、ヤバい理由はともかく、母の表情と行動で感じ取ったんでしょう。

 

「ココに描いちゃだめだよ〜、紙に描こうよぉ!」

と言うと、なんでぇ〜? という表情。

大人の事情としては“賃貸だから”なんだけど、3才児に言ったところでなぁ……ということで、思わず言ってしまったのが

 

「顔じゃん、踏まれたら痛いでしょう、かわいそうだよ!」

 

決していい説明じゃないな、とは分ってはいながらも、これしか思いつかなかった私。

すると次男……

 

「だって、絵だよ〜。」

 

花や虫や鳥に話しかける人が、そこは現実的なんか〜い!!

ちょっと拍子抜け。

 

「さとちゃんのお顔の絵を、友達みんなが踏んじゃったらどう思う?」

「悲しい……」

 

でしょ、でしょ、とへりくつ言って何とか絵を消すことに次男にも承知させました。

 

結局、消す作業は次男も眠った時間に大人の作業になったけれど、消す時は何だか複雑な気分だったな。

消すのも何だか寂しい、せっかく描いたのにとか、でも、落書きとお絵描きの違いは、次は上手く教えなきゃとか……。

色んな感情と反省のもと、消し去り作業をしたのでした。

 

けれど、次男は描いたことも消されたこともすぐに忘れて、その後は絵を描くとき、申告して紙をもらうか自由帳に描きました。

そもそも、床の上に描いたのはその一度きり。

 

当時よく描いていたのは迷路。

かなり精巧なものでしたよ。私には絶対に描けないものでした。

 

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そして、またまたそんなある日、今度は長男がクレヨンを取り出して、突然ガラスのテーブルに絵を描き始めました。

 

一瞬止めようかとも思ったのですが、あまりにも鮮やかで、あまりにもキレイな配色で、まるで虹のように、何度もクレヨンを持ちかえてテーブルいっぱいに色を塗ったんです。

 

この時は旦那もいたので、旦那は自分の仕事部屋に飛んでいき、ビデオを持ってきて録画を始めました。

 

描ききった長男は、本当に満足げ。

わ〜! すごい!! 

と褒められて、満面の笑み。

 

透明なガラス面のキャンパスいっぱいに、隙間なく塗られた色。

本当にきれいでした。

 

けれど、次男は怒られて、兄も描いたのはテーブルなのに怒られず、OKとNGの境が難しい! と後々悩める母でもありました。

 

ただ、大人になっても絵が好きな長男と次男。

絵に対する「好き」だけは潰さなくて良かったな……ということが、あの時の私の思いに対しての救いでもあります。

 

ちなみにテーブルの虹はビデオに収め、これまた兄弟達が寝静まってから2時間かけて拭き取りました。

 

緑の顔もきれいな虹も消えたけど、今もその絵は私の記憶に鮮明です。

 

そういえば、次男が小学校に上がってチョークを買ってあげました。

そのチョークで、家の前の道路いっぱいに友達と絵を描いて遊んでいました。

 

みんな、とっても楽しそうだったな。

もちろん描いた後は、水をかけて消すんですけど。

 

子どもは大きくなるに連れて、理論や「上手い絵、下手な絵」という認識が生まれることで、だんだん絵から離れていってしまうような気がします。

 

でも、あのチョークで絵を描く時の子供達の笑顔を思い出してみると、本当はもともと、どの子も絵を描くことは好きなのかも知れません。

 

父息子のめんどくさいやりとり

次男から、こんなLINEが来ました。

で、その後の父息子のやり取りは、毎度ながらこんな風。

 

父、めんどくさい。

 

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値段の高いコンタクトやお米の購入は、バイトしながらの学生には少々ハードルが高いようで、数回自分で購入して、いよいよ先立つものがなくなるとこちらにSOSが来るわけです。

 

毎度こんな感じで父親から返事が来るので、慣れてはいるのだろうけれども、それでも私個人のLINEに

「やっぱダメな感じかな???」

と次男から不安いっぱいのLINEが来たりするわけでして。

 

旦那は必ずSOSには答えて次男の要求を呑むのだけれど、それでもこりゃ〜やっぱり不安になるわね……それで、私は旦那にこう言うわけです。

 

「自分も“分るように言ってくれればいいのに〜”って、いつも言うやん。」

「買ってあげるかどうか答えないと、また次男はうろたえるよ!」

 

まぁ、そう言いながらも、この二人のやり取りは好きだし、楽しいもんです。

 

ちなみに長男なら、知能が測定不能と言われていて、そもそもこういうやり取りの理解は出来ません。

でも、もし高機能自閉症と言われるような知能に問題がない場合でも、このやり取りは理解には苦しむだろうと思います。

 

自閉症の場合、きちんと、はっきりと、解る言葉で伝えなければならないので。

言葉や行動の中に隠れている意味を探すことは苦手なんです。

 

さて、この結末はというと

 

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結局、旦那のを持って次男の希望通りに解決をしました。

それにしても本当に毎回こんな感じ。

私が真ん中に入って旦那に解答をするように要求して、それで解決をみるという・・・。

 

ほんと、めんどくさい。

 

そして、次男の「ありがとう〜」スタンプに答えて旦那が最後に送ったスタンプが

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もう意味がわからん。

 

ただ、こんな感じの我が家のLINEに、いつまで次男は付き合ってくれるのでしょう。

まだ学生の間はSOSが送られてくるだろうけれど、次男が独立して親の支援が必要なくなったら、このやりとりはなくなるのかも知れない。

 

そう思うと、このくだらないやり取りも、ちょっと愛おしくなったりする母です。

リモコン破壊に見る、長男の我が家でなければならない理由

今回も台風は、あちこちで大変でしたね。

被害に遭われた方、生活に支障が出た方、心よりお見舞い申し上げます。

 

今は携帯ひとつで確認も出来る時代なので、全国に散らばった友人達も、無事に過ごしているとかでホッとしました。

ともあれ無事で元気だったのが嬉しかったです。

 

さて、そんな台風の中、我が家の長男はエアコンのリモコンに呼ばれたようです。

突然リモコンを手に取って、1秒も掛からずにバキバキッと・・・。

 

やられました(汗)

リモコン、ガン見して愛でていることが多いのですが、よく中を見たいのか可愛さ余るのか、こちらがちょっと気を抜いていると、愛しのリモコンのはずなのに一瞬で姿を変えられてしまっている。

f:id:hisakokk:20181001143334j:plainいや、これどぉすんだよ……

 

一瞬で壊して、一瞬で中を確認して、一瞬で私の表情も確認する・・・。

私の怒ってますよ〜の表情は、こんな時はいつものことなので(もちろん“いかん”ことは“いかん”と伝えます)長男は“やばいなぁ〜”という表情から“困った時の笑顔”にシフトするわけです。

 

そして「あ〜、あ〜」と、一応の謝罪の言葉を述べると、更に中身確認してもいいっすかぁ〜的な行動に移る・・・これもいつものこと。

それを阻止しつつ、旦那が仕事から帰ってくるのを待つ私。

 

その間、私はリモコン単品で1万円以上、もしかしてもっとするかも・・・とヒヤヒヤしながら検索したのだけれど、8千円程度とわかって少しホッとしたりしました。

 

いや、そもそも必要のないお金だったのに、長男の興味から来る一瞬の勉強代になったのかと、いたたた・・・という気持ちは否めなかったけれど。

 

そうこうしているうちに、旦那すっ飛んで帰ってきました。

リモコンを手に持ち

「あーっ! コレ壊した人っ!?」

 

長男、小さく手を挙げて、小さい声で

「あっ!(ボクです)」

 

それに吹き出しそうなのを我慢して、父と母は、大事だと伝えた物は壊さない!

と伝えて、多分またいつか破られるであろう約束をしました。

 

長い時間怒っても、本人自信、なぜ怒られているのかだんだん解らなくなるので、ことが起きる度にこちらも変わらず、同じ言葉で伝え続けます。

それが長い時間掛かって自立したトイレや身支度と同じように、いつの日か理解してくれるようにと願いながら。

 

ちなみに、小さく手を挙げて「あっ!」と言う姿を、旦那は毎回「カワイイ!」と長男のいない所で言います。

カワイイけれど、息子ももう26才ですぜ、だんな!(笑)

 

さて、破壊されたリモコンですが、旦那はだまって手に取ると、それを組み立て始めました。

私も努力したけど、ダメだったんですが?

 

けれど、旦那は黙々と作業を始め、長男も興味津々。

曲がっているふた部分をドライヤーで伸ばし始め、数分後にはあら不思議!

リモコンは数時間前と変わらぬ姿に!

 

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私、歓声を上げる。

長男、目がキラキラ! そして再び手に取ろうとする長男に

「いやいやいや・・・!」

と取り上げる父と母。

 

さて、今後のリモコンを守り抜くために、スイッチON、OFFのあとは鍵のある別部屋に保管することに。

ひと手間もふた手間もかかることが多い我が家ながら、慣れれば不便は感じないもんです。

 

そう言えば、長男の破壊行動の後、プロでも修理不能だったり、大物でない限りは旦那がほぼほぼ修理してきました。

車のワイパーを曲げることがマイブームでディーラーに通っていた時も、結局はそれ用の工具を買って旦那が修理するようになったし、言ってたらきりがないほど。

 

興味があって壊してしまったら、それを修理してしまう人が我が家にはいる。

そんな場面を見る度に、長男が宇宙からやってくる時に、生きていく場所を選ぶ時の条件から、我が家はしっくり来たのではないか・・・。

 

そんなことを思いながら、長男の笑顔を眺める母であります。

 

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あ、それにしても、ドライヤーの威力が少々小さかったらしくて、カバーが真っ直ぐにはならなかったとか。

ちょっと力を入れながらボタンを押さないといかんねぇ・・・。

この曲がった部分を見る度に、この話題は我が家で消えることもないなぁ(笑)

 

ちなみにドライヤーを守り抜いたお話し

 

hisakokk.hatenablog.com

 

ワイパー破壊のお話

 

hisakokk.hatenablog.com

 

よかったら、こちらも読んで下さったら嬉しいです。

かしこ。

 

 

 

今更だけど、なぜこのブログを立ち上げたかという理由を言わせて下さい。

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何を今更な話しですが、備忘録ということもあるけれど、もう少し違う理由もあって、やっぱり言っちゃいたくなりました。

 

そもそも障害を持った子供と、その家族の奮戦記のブログはいっぱいあるし、私のブログなんかより遥かにいい記事ばかり。

 

実際、私のこのブログは弱小ブログでアクセスも少ないし、最近やっと1日に50アクセスを超えるようになって、たまに100を超える位。

1万PVとか、なにそれ? 的な、全く想像のつかない雲の上のことです(笑)

 

文章の先生達はだれもが、人に共感を持ってもらえる役に立つコンテンツを書くように! と話されるけれど、このブログはただただ

 

わかってほしい

 

という、独りよがりな理由しかありません。

 

障害者がいることが大変とか、障害の特性を解ってほしいとかそんなことではなく、わかってほしいことは、

 

障害者のいる家庭は

大変で不幸というのは思い込みです

 

ということ。

 

出生前診断で障害が判ると、9割がその子との出会いを諦めるという事実。

なぜ諦めるのか、それは正直すぐに想像できることなんだろうとは思う。

育てることが不安だという理由も分る。

 

なぜ不安なのか、なぜ大変で不幸と思い込むのか……。

 

不幸とは、実はその障害者自身が作るのではなく、その家族を取り巻く人々が作るもの。

さらにその家族を幸福にするのも、取り巻く人々が大きく関係している。

 

けれど、案外それを誰も気付いていない。

 

そういえば、次男が書いた人権の作文にあった一文が秀逸だった。

 

 

「大丈夫、みんなで育てよう! とだれもが言えたら、どんな赤ちゃんも生まれてくることができる」

 

 

こんな環境で生まれて来れたら、本当にどんな赤ちゃんでも幸せに育つだろうな。

 

 

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けれど実際は、例えば24時間テレビみたいに涙と感動の場面があって、TV見ながら涙を流し、素晴らしいと言いつつも、でも、こんな子供は家にいたら困るよね……なんて言われていることもあるだろう。

 

それに、このブログはきれいごとと思われているかも知れない。

もっと大変だろう、もっと困っているだろうと思われるかも知れない。

 

でも、これが本当の日常です。

長男がいない方が幸せだなんて、このブログを読んでも思う人はいるのだろうか。

 

確かに大変なことはいっぱいある。

パニックに付き合う時はこちらも覚悟がいる。

小さい頃は脱走の常習犯だったし、他害も自傷も破壊もあった。

 

トイレのトレーニングもバカみたいに長い間やってきたし、色んなことを教えるのに、長男は次男の何倍もの時間が掛かった。

 

でも、それを不幸とは思わなかったし、教える工夫に凝ってみたり、考える時間も案外楽しかったりした。

 

子供と向き合うということは、健常と言われる子供に接することと、何も変わらないと教えてくれたのが次男だった。

長男のために考えたことや作ったツールは、しっかりと次男にも役に立ったし、トイレだって、信号の見方だって、教えることに関しては二人の間に何ら違いはなかった。

 

私は実際、二人の子供と出会えたことを本当に感謝しているし、来世でも会いたいと思う。

 

けれど「来世でも会いたい」と言うと、ほとんどギョッとされたり、凄いね、偉いねと欲しくもない言葉が返ってくる。

 

実際、妊娠に気付かずに風邪薬を飲んで、障害児が生まれるからと周りに説得されて子供を諦めたという人も何人か知っているし、肢体に障害を持って生まれた赤ちゃんが、生きるために頑張っている時に、その親戚が言った一言は

「どうせ障害が残るんだから、生きていても仕方がない」

という言葉だった。

赤ちゃんが亡くなった時も「良かった」と、ほっとしていたのを見て、怒りは湧かずに、ただひたすらに悲しかったことを覚えている。

 

それに私はこうも言いたい。

 

ダウンちゃんと会うことを諦めた人は、すごく損をしています。

なぜダウンちゃんが天使だと言われているのか、それは出会いを果たして、一緒に過ごさなければ解りません。

チャンスを逃して、本当に本当に、すごく損をしています!

 

でも、これもきれいごとと思われてしまうのでしょう。

 

けれど、障害者がいなくても生活が困難な家庭なんてごまんとあるし、健常な子供だって、悲しいかな恥だと思われている子だっている。

障害でパニックで壁に穴開けたって話しもあれば、健常と言われていても思春期に壁に穴開ける子だっているわけだしね。

 

障害者がいない世の中になったら、みんな幸せな人しかいなくなるって、誰が言えるの?

 

少なくとも我が家は

不幸じゃないし、案外世間に馴染んで暮らしていますよ。

 

 

 

読んで下さって、有難うございました。

 

 

 

次男の帰省(11日間の家族日和)その4〜それから帰京まで

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9月6日

 

次男、いつも帰省は誰にも言わずに帰ってくるようだけれど、どこからかやはり情報とは漏れるもの(笑)

「捕まったので夜は友達と会ってきます」

 

結構なことですよ。父も母も、もうこの年になると友達にもなかなか会えない。

買える時に買う! 食べられる時に食べる! 会える時に会う!

旦那はよく、そう言っている。

その通りだと思う。

 

次男から後で聞いた話。

みんなで飲みに行ったんだけど、その中の友達の彼女がバイトしている、おしゃれなお店に行ったらしい。

おしゃれな雰囲気を味わいながら、さらに美味しいワインをいただけるお店だとか。

 

しかし、メニューを広げたところで発覚したらしいのだが、全員がワインが苦手だった。

何しに行ったんかい?(笑)

 

 

9月7日

 

私は仕事に出掛けた。

次男、この日は旦那が主催する映像の講座に潜入!

と言っても、超少人数でみっちり勉強会。

そこに若いママさん達もいて、やたら『カワイイ!』とちやほやされたらしい。

 

そう言えば、次男は小さい頃から大学に入るちょっと前まで、人から「お母さんキラー」と呼ばれていた。

なんでや?(実母の私、理解不能

 

 

9月8日

 

久し振りに、友達と野球観戦に出掛けた次男。

この日は大量点で大勝利の日だったから、見てて気持ちよかったろう。

 

で、私こんなことを思い出す・・・

次男は小学校の時はソフトボール、中学高校と野球部だった。

ソフトボールでは最初なかなかポジションも決まらず、そのままずっと補欠かと思っていたけど、監督からキャッチャーをやってみないかと言われて、何とそれが当たった。

 

それからずっとキャッチャーだった。

野球教室からスカウトも来た。

イップスにもなったが、なんと自力で立ち直った。

小学校でも、中学校でも、強豪校にのし上がっていき、無名だった中学校が13連勝を納め、県大会の決勝のジャッジミスで優勝を逃した。

そのジヤッジミスの瞬間を、旦那がカメラに納めている。

 

高校では監督との相性が合わなかった。

仲間達に「誰よりも理不尽な仕打ちをされ続けていた」と、いまだ言われているそうだ。

顔面に鍵を投げつけられ、ケガをしてそれが膿んで大変だった時、その頃から少し精神的にまずい状態になった。

けれど、仲間達が良かった。

チームプレイだから抗議することも出来なかった。

 

それでもイップスも乗り越えた子だから、結果それも乗り越えた。

最後まで酷い対応をされたが、次男が学んだこと、それは

 

「あんな指導をするような大人に、自分がならなければそれでいい」

 

この日観戦した試合は、何も考えずに楽しめたようだ。

高校野球で地獄を見た次男が言う。

「野球は楽しいスポーツなんだよ!」

 

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9月9日

 

自動車保険の切り替えに行くぞ〜」

ってことで、久々の4人揃ってのディーラー訪問。

長男ご満悦。

次男、溶けている・・・。

のんびりし過ぎでしょう(笑)

いつ来ても、いいディーラーさんです。感謝。

 

障害者のいる家族にも優しいデーラーさんのお話はこちら

 

hisakokk.hatenablog.com

 

 

9月10日

 

実は次男、夏休みを利用して自動車学校に行ったんだけど、今は大学の生協が自動車学校の案内もしてくれるようで・・・。

時代は変わったな・・・(笑)

 

ということで、地元にて本試験に挑んで来た。

「写真が酷い!」

とLINEが来たので、合格だとすぐ理解して

「母の(写真)は すなかけばばあだよ

と返しておいた。

 

この日の夜、かなり遅れての次男の誕生日ケーキを食べた。

ロウソクの火は、やっぱり長男が吹き消した。

次男は笑っていた。

 

9月11日(帰京)

 

次男の帰京の日は、必ずやるルーティンがある。

それをしないと、次男がまた家に帰ってくると思って長男が待ってしまう。

言葉だけで「弟は東京に行ったよ。」と言っても納得しない。

カレンダーの前に私を連れて行き、弟はいつ帰るのかと散々全ての日にちを指さしながら聞いてくる。

それが本当にしつこい位に、何度も何度も。

 

長男に愛されてるね、次男君。

 

それを避けるために、何より次男の帰京を納得して、ゆったりと待てるように、今回もそのルーティンをすることにした。

 

その前に、取り敢えず長男を朝施設に送り届け、その後、親子三人で買い物をする。

イヤホンが壊れているということで、ビックカメラにも寄った。

そこで試聴しまくる次男。

時間が掛かりそうなので、私と旦那、その側にあるエレピの試弾を始めた。

 

どの鍵盤がしっくり来るかとか、音の感じとか試しながら、遂には二人並んで2台のエレピで即興のセッションを始めた。

目立たないように小さな音で弾いて、時々お客さんや店員さんが振り返っていたけど、買うのはイヤホンです(笑)

 

買い物も済んで時間が来ると、三人で施設まで長男のお迎えに行った。

帰宅すると、長男の目の前で次男が帰り支度を始める。

そして、次男は東京に行くよと伝えて空港へ向かった。

 

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空港で家族4人食事をして一息ついたら、4人でゲートに向かった。

そこでいつものように兄弟、ちょっとだけギュッとして、弟は手を振ってゲートの中に入っていった。

 

それをじっと見る長男。

後ろ髪を引かれるようにして先に進む次男。

 

この瞬間に、長男は理解して、納得しているように思う。

この瞬間がなければ、また長男は次男の帰宅を明日も待つだろう。

 

11日間、長男は4人分の食器を用意してくれていた。

そして、翌日用意してくれた食器は3人分だった。

 

次男の帰省シリーズは、これでおしまい。

 

次男の帰省(11日間の家族日和)その3「北浦街道ほうほく」からの「川棚温泉」

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灯台をあとにして、のどが渇いたという父息子の願いを叶えるために、

道の駅「北浦街道ほうほく」

立ち寄った。

そこのキャラクター、ほっくんがみょうにカワイイ。

ほっくん誕生(デザインモチーフ)については奥が深いので、見てみたい方は

ココをクリック↓

 http://www.hokkun.jp/profile.html

 

さて、店内に入ってみようとすると、長男が道の駅出入り口の手前で捕われ状態。

「あー!あー!」

とソフトクリームのオブジェに釘付け。

あぁ、はいはい、そうでしょそうでしょ、そりゃ捕われるよね・・・

と4人分購入。

そして、ますますのどが渇くという連鎖にはまる。

 

今度こそと自販機に向かっていると、なぜか私以外の三人が甘栗屋さんで捕まった。

試食の栗をもらって、それを食べた旦那と次男がさらに

「あーーーっっっ、唾液が取られる!」

と悶絶していた。

 

そこの三人、それは私が甘栗が大好きと知っていてのろうぜきかっ!

 

さて、ようやく自販機にたどり着いて、のどの乾きを潤すということを、やっとやっと叶えたのでした。

そもそも、道の駅に着いたら先に飲めばいいって話しなだけですよ(笑)

でも旦那はこういう時、よくこう言う。

成り行き!

 

あぁ、この旅そのものだ(笑)

 

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さて、お土産も買ったし、喉も潤したので、旅の終盤はどう過ごしましょう。

ちなみに旦那は、連日ほぼ徹夜の仕事明けなので「お父さんエネルギー」が切れる前に帰宅すべきだな・・・とは思っていた。

 

道の駅をあとに、再び気ままに車を走らせる。

旦那がナビを指さして、この辺り! と言う。

この辺りのどれ? と聞く。

ナビとスマホで情報収集しながら車を走らせ「ここ、よくない?」と車を停めた。

 

停めた場所は温泉施設の駐車場。

スマホで調べると口コミは結構いいし、ここに決定!

というわけで訪れたのは

 

川棚温泉元湯 ぴーすふる青竜泉」

 

川棚温泉というと、九州では結構CMが流れている温泉宿が有名だけど、その大きな温泉宿の近くにある小さな温泉施設。

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何も用意していない完全ビジターなので、ロビーでタオルとシャンブー、コンディショナー、ボディーソープなどを購入し、いざ入浴へ!

脱衣所に入ると、そこは下関の川棚という町の、小さなコミュニティーの場所だった。

 

脱衣所のロッカーは誰も使っていないし、みんな棚の籠に着替えもバックも置きっ放し。

風呂場では湯船周りのシャワーひとつごとに、利用者さん達のお風呂セットがひとつずつ置かれている状態。

シャワーの場所はあいているのに、まるで場所取りしているかのような。

 

どうしようと思ったけど、仕方ないので、あいてるってことで知らん顔してシャワーを使ったけれど、結局誰一人気にしていない。

お年を召されている方達も、お互いに○○ちゃん! と呼び合っていて、その○○ちゃんだらけの中には、おばあちゃんに連れられた小さな男の子と、小さなそのお姉ちゃんもいた。

 

男の子は湯船に行くのが嫌でごねていた。それを周りがおいでおいでしている。

ちょっと困った顔のお姉ちゃんを周りがフォローしだして、お姉ちゃんも大きくなったね、背が伸びたね、一緒に入ろう・・・などの声が飛び交う。

この姉弟達は、この大人達の中で守られながら育っていくんだろうな。

 

気付けば、多分よそ者は私1人のようだった。

平日の夕方だからそうだったのかも知れないけれど、間違いなくこの温泉施設は「地元民の、地元民による、地元民のための温泉」だ。

 

けれど、ちっとも居心地は悪くなかった。

むしろそんなやりとりの中で、それが人のぬくもりからか、そこが湯船の中だからなのか、何だかほっこりとして癒されて、本当に気持ちよかった。

 

気持ちがいいついでにロビーに出ると、まだ男どもが出て来ていないことをいいことに、マッサージチェアに座ってさらに至福の時を過ごしていた。

きっと長男も喜んで温泉を楽しんでいるだろう。

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実は長男は、調子を崩したり少し気持ちがざわついている時は、かなりの頻度で自傷が出現する。

自分の指で体中の皮膚を掘ってしまうのだが、本当にビジュアルがバイオレンス状態になってしまう。

 

最近は調子も悪くないし、ましてや大好きな弟とこうして過ごしているので、自傷の症状は出ていない。

けれど、体は自傷の痕だらけだ。

何も知らない人が見たら、虐待を思われても不思議ではない。

 

けれど、旦那はそんな長男を平気で温泉にでも何にでも連れて行く。

何も悪いことはしていないし、長男のやりたいことが普通に誰にでも出来ることなら、自分が何と思われても長男にもさせてあげるべきだと思っている人だ。

それは本当に旦那のすごいところだと思う。

 

そうしているうちに父息子三人、のれんをくぐって出て来ると、ニヤニヤと機械の椅子に座っている私を見つけて、小さく「おっ!」と声を出して2度見していた(笑)

後で聞くと、私は相当なニヤけっぷりだったようだ。

マッサージなんて誰もしてくれないから、機械の椅子でも嬉しかったんですよ!

 

実は角島は夕日が絶景として有名らしい。

でも、お父さんエネルギーもあとわずか・・・というわけで、家路へ。

 

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途中、関門橋辺りで夕日が拝めないかと思っていたけれど、時間的にも方角的にも難しくて諦めた。

しばらく関門橋のたもとで橋と行き交う船を眺め、休憩をしてから再び車へ。

 

高速を下りて見慣れた道を行き、晩ご飯は地元のソウルフードのうどんに次男が反応したことで、迷わずいつものうどん屋さんへ。

そうして、今回の旅は終焉を迎えた。

 

実は川棚と言うと「瓦そば」が有名なのだけれど、誰も食べるとは言わなかった。

実際食べようと思えば機会はあった。だって、角島テラスのメニュー表には、しっかりと「瓦そば」と書かれていたから。

 

これをしなきゃ、あれを食べなきゃという考えもなく、今回もただ海に出会い、風に吹かれ、気まぐれに進路を決めて過ごした旅でした。

 

次男の滞在期間はもうちょっとなので、この家族日和はもう少し続きます。

長いお話を最後まで読んで下さって有難うございました。

次回もちょっとだけ、お付き合いいただけたら嬉しいです。

 

《つづく》