宇宙人と暮らせば

面白親父、自閉症男子、理系(宇宙系)男子と私の、周りとちょっと違う日々を綴ります。

次男の背中を見送る(次男の旅立ち)

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続きです。

 

卒業式が済むと、街は一気に桜が咲き誇り、全ての人たちに「これから」の背中を押しているかのように見えました。

春とはそんな季節なのですね。
これまであまり考えたことはありませんでした。


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学生時代にはマンションに洗濯機が置けなかったので、念願かなっての設置です。

職場では入職前から野球も始めたので、なくてはならない家電になりました。


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引っ越し先は今までのような学生街ではなく、ファミリー層の多い地域になります。

街の雰囲気は随分と違いますが、学生は卒業したので、今の配属ではこの地で頑張っていかなければなりません。

 

駅近には食堂もあり、客層もサラリーマン風の人たち、そして常連さんたちが多い感じでした。

商店街もあり、買い物や食べる場所はありそうなので、困ることはなさそうです。

母の東京滞在最後の日、やっと丸一日空いた次男と一緒に、最強運を頂きに神社に参拝に向かうことにしました。

 

街中とはいえその景色を眺めながら、のんびりとした道中を楽しむことができました。

橋の欄干にもこんな物語が語られていて、きっとこの街をいつも通る人は気にもしないであろう風情を楽しませてもらいました。

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そして、最強の神様にお会いすることができました。

ここは銭洗弁天さんが有名らしいのですが、母はこの東京で、この先も頑張ることを決めた次男のこれからをお願いしてきました。

 

これからもこの街で。

次男のことを何卒よろしくお願いいたします。


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最強の神様に次男の健康と運を託し、再度地下鉄に向かい、これまで住んでいた文京区のマンションの最寄駅で降りました。

 

そこから、次男が暮らしていた街の景色の中をのんびり歩きました。

階段の多い細い道を下り、入り組んだ道を歩きながら、よく立ち寄った場所、惣菜など買った店、銭湯、さまざまな思い出話も聞けました。

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街には開発も入っていて、また街の様子も変わっていくことでしょう。

 

実はこの地は、旦那も学生時代から社会人に至るまで住んでいたところです。

新しい街の中に懐かしい場所を見つけることで、きっと父親と同じように、次男も懐かしむ時が来るのでしょう。


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道路さえ桜の花びらでピンクに染まっています。

それを見ると、季節はどんどん先に向かっていることを感じます。

先へ先へ。進んでいかなければならない。

 

これからの次男に、心の中でエールを送ることしかできませんが、こうして親元を離れ、自らの生活の基盤を作っていくのです。

 

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まるでスノーシュガーを振りかけられたような道路で、花びらをかき集めて掃除をする方がいました。

天気も悪いので、貼り付いた花びらに作業が大変だろうとは慮りながら、なかなか圧巻なスノーシュガーの道に感動すらしてしまいました。


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大学だけで論文を書いていると気が滅入るので、場所を変えて書いていたんだけれど、ここによくお世話になったんだ、と次男。

 

コーヒーが苦手な次男は、コーヒー屋さんのコメダコーヒーで、コーヒー以外の飲み物にわずかな時間の癒しをもらっていたようです。


そして、パソコンを開いて朝の時間をここで過ごしたのだとか。


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次男はいつものコーヒー以外のオーダーと、母はしっかりコーヒーを頂き、大学での出来事やいろんな話を聞くことができました。

 

田舎から東京に出て6年、たくましくなったものです。

いつの間にか自立の道を進んでいました。

 

重い障害の長男の自立は、現実的な高い壁のため険しく、親の努力はもちろんのこと、多くの人たちの力を借りなければ実現はできません。

 

そのために親は必死で動いているわけですが、一方で次男は、知らない間に自分で自立を成し遂げようとしていました。

 

小さい頃から、長男の影でいつも何事もひとりでできるようになっていた次男。

こうして自分の力で巣立っていくことに、嬉しい思いの反面、寂しくもあるのです。

 

母の東京での最後の晩御飯は、次男おすすめの一品。
いろんな思いも混じっての、複雑で大変美味しい晩御飯でした。


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翌日は、次男の出勤初日となりました。
母は新居にて次男を玄関で見送りました。

 

ひとつのお役目が終わった気持ちです。

まだまだ新人ですが、親元から旅立ったと言ってもよいでしょう。

 

これまでよく頑張ったので、これからも頑張るでしょう。そういう性格なので。

自分の楽しみも見つけているようなので、充実した日々を送ってほしいものです。

 

ただ、親はいつまでも子供の味方です。
何かがあった時は、いつでも駆けつけるつもりです。

 

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次男を見送った後、荷物をまとめ、部屋を掃除して次男の新居を後にしました。

 

さて、長男の待つ我が家にお土産を買って帰ります。

いつの日か自立の道が実現して、親である私たちは心配や心残りもなく、安心して長男を残して普通に死ねる日を迎えるために、これからも頑張らなければ。

 

まだまだ親道は続きます。